クールなお医者様のギャップに溶けてます
「そうだ、本山さん、いつも祖父をありがとうございます。」

「いえ、こちらこそ山田さんには色々と教えて頂いています。」

マッサージ中は山田さんが若い頃の話しをよくしてくれる。
人生の大先輩の話しはたまに同じ話の繰り返しになるけど、それでも得るものは多い。
お世話になっているのは私の方だ。

「マッサージしてくれるとよく眠れるんだ、って喜んでましたよ。」

ふと山田さんの「ぼちぼちだぁ」を思い出して微笑んでしまう。

「それ、その笑顔も可愛いんだ、って言っていました。」

「そうですか?嬉しいですね。」

「いや、ほんと本山さんは可愛いですよ。私服の本山さんを見るのは初めてですが、今日初めて見た時、ドキッとしてしまいました。」

この人、なんでこんなにスラスラと恥ずかしい言葉が出てくるんだろう。
女慣れしてるのかな。

「山田さんはお付き合いしている女性はいなかったのですか?」

「私ですか?いや、そこを突かれると痛いのですが、正直に話します。私には気になる女性が二人います。」

おおっと!?
今までの穏やかなやり取りが一変して、衝撃がもの凄い!

「それは、一体?」

「そうですよね。」

肉料理に、と思って頼んでいた赤ワインをクッと飲むと山田さんが話し始めた。
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