クールなお医者様のギャップに溶けてます
いつの間にか動き出していた車は高台の夜景スポットに来ていた。
どうしてこの場所を知っているのか聞いたら、さっき弟が教えてくれたと言う。

田舎だけど、唯一人が集まる恋人にオススメなこの場所は、今もこの寒い中、お互いを温め合い、夜景に魅了されるカップルが何組もいる。今日は天気が良いし、週末だから特に多い。

雰囲気はすごくいいけど、こんなカップルだらけの所で話しをしなくちゃいけないなんて嫌だ。

カズを恨みながら、仕方なく先生を秘密の場所に案内する。

秘密の場所は、カップルたちには近付かない、という暗黙のルールを知る地元っ子が作った、子供たちだけの秘密基地。
ヒールのある靴では少し大変だけど、あそこなら誰もいないはず。

「夜景が綺麗だな。」

やっぱりここで正解だ。
夜景は綺麗に見えるし、人もいない。

「数少ない地元の自慢です。」

「…」

「…」

え?沈黙?
何もないし、誰もいないから話さないとなんか怖い。シーンという沈黙に耐えられない私は暗がりの中にいる先生の様子を伺う。

「あの〜先生?」

「俺は三年前から君ともう一度出会える事を願っていた。」

突然話し出すのかよっ!
しかも三年前??
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