クールなお医者様のギャップに溶けてます
「ただいま〜」

「「おかえり」」

のっそり静かに気配を消して家に入ったのにカチっと鍵を掛けた音で父と母が寝室から勢いよく出て来た。

「ちょっとぉ、カズくんから聞いたわよー!イケメン先生なんて凄いじゃない!!ついに亜樹にも彼氏が出来たのねー♡」

「しかも男の方が惚れている、と言うじゃないか。お父さん、寂しいけど嬉しいぞ。」

女子高生のようにはしゃぐ母と泣き真似をしている父。
この二人、仲がイイんだけどテンション高くてたまに疲れるんだよね。
しかもカズのやつ、何て言ったんだ?
二階の部屋にいるであろうカズを階段下から呼び出す。

「ちょっとカズ!何をどう聞いてどう話したのよ!」

ドアを開けてニヤリと笑うカズは明らかに楽しそうだ。

「そのままだけど〜?ねーちゃんの事が好きで好きでしょうがない、って感じだったからそうやって伝えたー。」

なんでそうなるの?
先生も何を言ったんだよ⁉
黙る私を残してキャーキャーはしゃぐ両親とそれを見て笑う弟。

夜の11時を過ぎているのに、家族がダイニングに集まり、インタビューでもされているのかと思う位、質問攻めに合った。

まぁ、お見合いの話しはしなきゃいけなかったからさすがに話したけど、疲れた。
「先生は今度連れて来るから。」と言い残してお風呂へ直行する。


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