クールなお医者様のギャップに溶けてます
画面には『湯けむりイルミネーションツアー』という年配者向けなのか若者向けなのかいまいちピンとこないツアーが表示されている。

「イルミネーションですか〜イイですねぇ。で、誰と行くんですか?」

「それは秘密だよぉ。」

「じゃあ、いつ行くんですか?」

「ク・リ・ス・マ・ス。イルミネーションが綺麗だよね、きっと。」

目をキラキラさせる藤井先生って、ロマンチストだし、子供っぽい。

仕事をサボりがちだけど、こんな風に色々下調べしてくれるなんて彼女は幸せ者だ。

誰か気になって「同業者ですか?院内の人?看護師?薬剤師?検査技師?」と聞くもはぐらかされてしまう。

ただ、急にキョロキョロし始めたから教えてくれるのかと思ったらホゥっとため息をついた。

「どうしたんですか?」

「大体このタイミングで神野先生が現れるでしょ?だからまさかとは思うけど確認しちゃった。」

「二度ある事は三度ある、って言いますからね。」

「うん。でも僕なりに考えてみたんだけどね、神野先生って本山さんの事が好きだよね、きっと。」

「な、なんでですか?」

「動揺してるっていう事は怪しいなぁ。やっぱり本山さんもイケメンが好きなの?」

「私は別にイケメンが好きなわけじゃないですよ?」

「え、じゃあ、顔を抜きで神野先生が好きなの?もしかして本山さんってマゾ?」

「な、ち、違いますよっ!私はただ…「亜樹ー?何おしゃべりしてるのかなぁー?」

「花絵⁈ラ、ラウンド、お疲れさま〜。」
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