ずっと俺の傍にいろよ Ⅰ
どれほど眠っていたのだろうか___

チクタクチクタクという、時計の秒刻みの音で目が覚めた。


私、助かったの?
ふぅ~良かった!!

私って、運持ってるんだね。


そんなことを思いながらも、体を起き上がらせる。

首にはまだ痛む絞殺こんの跡・・・

そして目の前にある大きな鏡が目に入ってきた。

止めろ!止めろ!


消えろ!消えろ!消えろ!




その鏡に映っている私の姿に驚愕する。


そこには犯罪者の私がいたから___


思い出したくない、消えろ!!消えろ!


あっち行け!!


頭を抱えて、大声を上げる。


すると誰かが慌てて部屋に入ってきた。


「田村さん、落ち着いてください!
ここは病院ですよ?」


そう言って二人がかりで私の体を押さえつけ、注射をする。
その中には、森口亜季さんがいた。


「亜季さん…?」


「大丈夫?涼子さん?
あなたは犯罪を犯し、尚且つ自分の首を絞め、この精神科に運ばれたのよ?」


「私が犯罪を犯した?」


「妄想もいい加減にしなさい!」


「はーい!アハハっ、アハハ、涼子さんだってぇ!

亜季さん超うけるー」


私は高校生に戻ったみたいに、手を叩いて爆笑した。

だって、本当に超うけるんだもん!!!


アハハ!!


あぁー、もう飽きちゃった。


自分の作り上げたかった物語を作る為に、その物語に合いそうな見知らぬターゲットの…


須藤健吾と須藤光一(スドウ コウイチ)の双子を殺したってこと。


だってさー、つまんないんだもん!?
妄想した方が生きてて楽しくない?


アハハっ!!ざまぁーみろってな感じ~!


私はその双子の一人の弟を階段から突飛ばし、昏睡状態にした挙げ句、兄をナイフで一つきした。


そして自分の首を絞め意識を失わせ、妄想の世界に幕が開く___


it's a show time.



そしてその日から私の精神病の治療が続く・・・
ずっとこの治療と苦しみと、犯した罪の重さとちゃんと向き合わなければいけない___


次の妄想第2幕が始まらないように・・・







ずっと俺の傍にいろよ 【完】


あくまでもフィクションです。
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