碧い人魚の海
貴婦人はそこで言葉をとぎらせると、お茶の入ったカップをそっと持ち上げた。
そのまま彼女は動きを止め、テラスの手すりの外を見おろした。
この沈黙を、ルビーはきょう初めて気まずいと感じた。
やがて貴婦人は、考え込むような顔で、ひとり言のようにつぶやいた。
「アーティは人魚をパートナーにすると言ったのね。そのあとで、人魚が自由の身になったら、という条件をつけた。死んでしまったあの少女は、多分奴隷だったのだわ」