俺様系後輩からは逃げられない?!


肇先輩が優しい笑みで言った


「あらら〜君たち、ここは立ち入り禁止だよ」



「す、すみませ…」


すると天原 純は
私が謝っている最中にも関わらず


「生徒会長は何でここに来たんですか〜?」



…な、なんて生意気な!

私は天原 純を睨んだ




…でも確かに何でだろう?
肇先輩、生徒会長だけど…
生徒会長だから許されるものなの?





私は肇先輩の方を見た






肇先輩は冷静に


「それはね、扉の前のロッカーの掃除用具の確認を先生に頼まれたから来てみたものの、扉の向こうから声がしたものだから」




肇先輩はニコッと微笑む





…なるほど

昼休みまで働いてるなんて、
生徒会長ってやっぱり大変なんだな







天原 純は女子たちに向けた笑顔と同じ笑顔でニコッとして




「そうだったんですか。出来心で扉を開けようとしたら、鍵がかかってなかったので……これからは気をつけますね」



私もそれに乗じて



「本当にすみませんでした!」


そして頭を下げた




「いいよ、小春。顔を上げて」




私は顔を上げたが
恥ずかしさや緊張が混ざっていて
まともに肇先輩の顔を見ることが出来なかった




「そっちの君は…今女子の間で人気の天原くんだね」




天原純はさっきと同じように
ニコッとしている





だがその瞳は笑ってはいない





「2人とも、今回は見逃してあげるけど、次はないからね」



そう言って肇先輩は
私たちに早く屋上から校舎に入るように促した




そして3人は校舎に入った




「僕、他に用があるから行くね。じゃあ」




私は軽く会釈した








天原純は屋上の扉の前で座り込んだ




天原純は下を向いている




私も座り
天原純の顔を覗き込もうとした



だが天原純は急にこっちを見てきた



「小春先輩と生徒会長はどんな関係なんですか?」



「…え?」



真面目な顔をしているが、どこか不安げな表情の天原純





こんな顔も初めてだ





「…肇先輩とは中学の時、同じ部活でお世話になってたの。肇先輩、中学の時も生徒会長してて、優しくて頼りがいあって、本当…」



あ…


テンション上がって
熱く語ってしまったかも…




「ご、ごめん。つい色んなこと…」







天原純は黙って、またうつむいている










すると天原純は顔を上げた



だが顔はこっちを見ていない








「小春先輩、あの人のこと好きなの?」





私「……え?」






何で分かったんだろう…




「…そうだよ」




「ふーん…」




天原純の顔が見えそうで見えない





すると突然
天原純は私に顔を近づけてきた







チュッ






…ん?

あれ…


今…頬に…キスされた?






私はすぐにキスされたところに
手をあてた


「なっ…なにして…」





天原純はニヤッと笑った







「逃がしてあげないから」





そう言って天原純は立ち上がり、階段を降りて行った







私は力が抜けて、一瞬頭が真っ白になった





「な…なななな、なんなの!」






あいつ何考えてんの?!



私のこと何だと思ってんのよ







あいつから逃げられないなんて
御免だ!!!





絶対に
天原純から逃げ切ってみせる!




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