俺様系後輩からは逃げられない?!



純くんは希奈さんを助けた



「おいっ、希奈!しっかりしろ!」


でも希奈さんは水を飲んだのか
気絶している


純くんは希奈さんを連れて
浜辺へと運んだ





浜辺に着いたものの
希奈さんは起きる気配がない



純くんは咄嗟に人工呼吸をした





人工呼吸をしているだけなのに

私の胸は張り裂けそうだった




すると

希奈さんは水を吐いて目を覚ました


「ケホッ…ケホッ」


「何やってんだよ!お前泳げねぇのに」


「ご、ごめん。ありがとう助けてくれて…。浮輪、沖の方に流されちゃって」



純くんは傷付いたような顔をしている




人が少し集まっている



するとその中に茉実もいて



「純ちゃん、どうしたの?」


茉実が心配そうに尋ねた


「すみません、僕、先帰ります」


「えっ?」


「純!いいよ、私1人でなんとかなるから」

希奈さんは気をつかっているみたい


「いいから!送ってく」



純くんは希奈さんの腕を
自分の肩にまわして歩き出した


「純…ごめんね」


「…謝んな」




そして

純くんと希奈さんはそのまま行ってしまった



純くんは、一度も私の方を見ることはなかった




希奈さんを必死で助けてた

人として当たり前のことだけど…





純くんは希奈さんの前でも素だった


私の前だけだって言ってたのに…



元カノだから?




本当に

元カノだからってだけなの?





私の頬には
静かにしずくが流れていった
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