俺様系後輩からは逃げられない?!
だけど、朝は純くんに会えなかった
でも始業式の前の大掃除の時間
中庭で女子を取り巻いている男子に目が入った
私はそれを見つけるなり
中庭に向かって走り出した
……
「純くん!」
純くんは私を見るなり、他の女子たちに向かって
「すみません、僕、ちょっとあの先輩と話したいので」
「えー、しょうがないなぁ」
そう言いつつも
その女子たちは去って行った
「何か用ですか?」
「昨日のことは…冗談だよね?」
「いえ、本当の事ですよ」
私はその言葉を聞いて
言葉が出なくなった
何か期待してたんだ
嘘だよとか、冗談だよとか
そう言ってくれるって
どこか期待してたんだ
すると純くんは
「僕、希奈とは家が近くて、希奈が途中で引っ越して来たんですけど。
料理は不味かったけど、何かお菓子持って来てくれて、構ってくれたんです。
僕に勉強教えたり…いつの間にか希奈のこと好きになってました。
で、僕から告白して付き合うようになって…。
でも、今年の1月頃に、急に別れてって言われて。しかもその理由が彼氏が出来たからって…。しかも引っ越されて、連絡も絶たれました。
僕はその後何もかも空っぽになって…で、この学校に入ってからも適当に過ごしてました。
んで、たまたま、小春先輩に僕の裏の顔がバレて、まぁ遊びのつもりで楽しませてもらったんです。」
純くんは最後ニコッと笑った
…遊びのつもりで…?
「だから、先輩にもう用はないんですよ。じゃあ、僕もう行きますね」
立ち去ろうとする純くん
私は必死に純くんの腕を掴んだ
「…そんなの…嘘なんでしょ?また私をからかってるだけなんでしょ?ねぇ…」
純くんは
キスするのかと思うくらい顔を近づけて来て言った
「もうあなたは用済みなんです」
私は力が抜けてしまった
私の手から
純くんの腕がスッと抜ける
純くんの姿は見えなくなった
私は胸が痛くて痛くて
目から涙が溢れる
「小春!」
茉実が駆け寄って来てくれた
「…うぅっ…」
茉実は私の背中を撫でてくれた