俺様系後輩からは逃げられない?!





天原純といるところをまた
肇先輩に見られてしまった!




しかも両腕掴まれてたし

顔も近いし




それに、何で
よりにもよって肇先輩に…









肇先輩が近づいてくる





「天原くん、小春が嫌がってるから、やめてあげて」



それを聞いた天原純は私から離れた



天原純は肇先輩を睨みつけている






そして天原純は



「生徒会長には関係ないことじゃないですか」



天原純はニコッと笑って言った






肇先輩は冷静に言った



「確かに僕は関係がないかもしれない…でも女の子が嫌がってるのは見過ごせないよ」




それを聞いた天原純は私の方を見て



「…小春先輩、さっきの嫌でした?」




「えっ……あ……い、いや…だった」








……私、本当に嫌だったのかな?



素直な自分がどれなのかわからなくなってきた






…いや、きっと
さっきのは嫌だったはず!!








ふと、私は天原純の顔を見ると

遠い瞳でこっちを見ている







「…だ、そうだから。天原くん、次からは気をつけなよ」



天原純はいつも女子たちに向けている笑顔で肇先輩に



「はい、これからは気をつけますね」


「よかった。じゃあ僕、用があるからまたね」





そう言って、肇先輩は走って去って行った





天原純は肇先輩が去って行った方を黙って見つめている




「…純くん、大丈夫?」




すると、天原純は口を開いた





「…あれじゃ小春先輩のことどう思ってるかわからないじゃん」



「え?」


天原純が何と言ったか小声過ぎて聞き取れなかった




「小春先輩、あの人やめといた方がいいよ」


「…何で?」


「なんとなく!てか、あの人のどこがいいの?」


「…え」


「何、優しくて頼りがいがあって、知的で冷静だから好きなの?!」




天原純が私に話す隙を与えない位
勢いよく言葉を発す


それでも私は口を挟もうとした

「…あの」



だけど急に天原純は真面目な顔に変わった





「じゃあ、もし俺が、優しくて頼りがいがあって……年上だったら、俺のこと…好きになってくれんの?」





「…純くん?」







私はわけが分からなかった





何で、私にそんなことを訊いてきたのか


私に…好きになってほしいの?




あんな俺様な態度をとっているのに








「純くんがどんなに願っても、肇先輩になれるわけじゃないじゃん」






私は、何故か八つ当たりのような言い方をしてしまった









天原純は黙ったまま




さらに天原純は
捻くれた顔をしている





傷ついているようにも見えた







「俺、もう帰る」





そして天原純は速歩きでその場を去って行った






…私、何であんな言い方をしてしまったんだろう





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