俺様系後輩からは逃げられない?!
忘れること
「へ?」
大志くんが、私を想ってる?
「俺、小春のこと前から気になってて…んで話してみて、やっぱり好きんなった」
「ちょ、ちょっと待って。そんな人ってすぐ好きになるもんなの?」
私自身、そんな経験ないし
そんなのあり得ないと思ってたし
「時間なんて関係あんの?」
「え……」
「初めて出逢った時に直感でこの人って思うことだってあると思う。俺のは一目惚れとかじゃないけど、そうゆうやつもいるし」
私が純くんや肇先輩を好きになった時
まぁ肇先輩は違ったけど…
純くんには、何か少し感じてたのかもしれない
それは恋ではなかったけど
でも彼に興味があった
だから覗きもしたんだろう
「…でも私、まだ他の人に目なんて向けられない。ただでさえ恋するのに恐怖を感じるようになってるのに…」
すると大志くんは
そっと私の両手を包み込んだ
「急がなくていい。俺、待つから。絶対そんな想いさせないから」
大志くんは私の瞳を真っ直ぐ見て言った
すると急にポケットから何か取り出した
「そうそう、遊園地のチケットあるんだけど、明日土曜日じゃん?一緒に行かない?」
私はどうしたらいいかわからず
黙りこくっていた
すると大志くんは優しく微笑って
「気分転換で行こう!…小春のペースでいいから。とにかく明日楽しもう?」
…私にも忘れることが出来るのかな
肇先輩の時とは違う
もっと
深くて広い、大きなもの
それを消すことは容易ではないはず
でも、このままずっといるわけにはいかない…
「うん…じゃあ、行こう…かな」
大志くんは嬉しそうに
ガッツポーズをして喜んでいた