俺様系後輩からは逃げられない?!
低い声で一瞬分からなかったその声
純くんがやっと口を開いた
「どうしたの?純」
こちらに振り返り、純くんを見る希奈さん
「お遊びは、ここで終わりだ」
「何の話?」
希奈さんも、何が起きているのかわかっていない様子
もちろん、私も大志くんもただ2人の会話を聞くだけ
「気付かなかったのか?希奈も大分鈍くなったなあ…」
「…純?」
「小春先輩を傷つけていいの、俺だけなんだよ」
その場が一瞬凍りつく
…は?
「利用?…笑わせんな。利用されてたのはお前の方だよ、希奈」
希奈さんは口を開けたまま、唖然としている
「全部俺の計算通り。楽しませてもらったのはこっち。希奈はどうせ一回俺のところに来るって、想定してた。それを利用したの」
純くんは何を言ってるんだろう…
すると純くんは、急にこっちを見た
久しぶりにバッチリと目が合う
それがやけに胸をドキドキさせる
「小春先輩に好きな人がいるのも、フられるのも、俺が拗ねたら謝って来るのも、俺を好きになるのも想定してたよ」
「…は?」
「俺の細かな演技でさえコロッと騙されんだから。」
「…何言ってるのかわからない」
「だから言ったじゃん、逃がさないって」