俺様系後輩からは逃げられない?!
甘党系女子現る?!






肇先輩にフられてから2週間程経ち



テストも
あっという間に終わってしまった





もう2週間程すれば…


待望の…




夏休み!!!














ドカッ






「小春せーんぱいっ!!」



「なに?!!」




背後から急に天原純が飛び付いてきた




「ちょっ、離れてよ」



「やーだ!テストの間全然会えなかったし…」





「きゃーっ!純ちゃん可愛い!!私もされたーい」


通りすがりの女子が騒ぐ





…こっちはされたくて
抱きつかれてる訳じゃないんだけど






「あんた、いつまでそのキャラでいるつもりなの?」




私はボソッと天原純に言った








「俺が可愛い甘党男子じゃなくなるのは、小春先輩の前だけだって決めてんの」






それを聞いて
何だかこっちが恥ずかしくなった







というか…暑い!!






「暑いから、お願い、離れて」




顔まで熱く感じてきた




「ちぇーっ」




天原純はようやく離れてくれた





「先輩、今から夏休みの予定考えましょ!」



「え、あんたと遊ぶ気ないって」





すると天原純は私の耳元で小さく



「俺に逆らうの?…生徒会長にフられた後、俺の腕の中で泣いたのに」



「うっ…」





私はそのことを思い出し、悔しくなった




天原純はニヤニヤしている












「あのっ!…」







私と天原純は
その声の方へ勢いよく振り向いた






そこには



小柄で目がぱっちりしていて

細くて白い肌で

ふわふわなセミロングほどの茶髪に

雰囲気からしてふわふわな感じの女子がいた







その可愛さから私は



「可愛い…」



と、無意識のうちに言ってしまう程









天原純は
先程の意地悪気ある俺様から
可愛い系甘党男子に切り替わっていた


「どうしたの、何か用?」



天原純はニコッとして言った





その女子は

「えと、天原純くんに用があって…。あの、私、1年の三嶋 亜美(みしま あみ)と申します!あ、あの突然で、変な奴と思うかもしれませんが…」




「タメじゃん、敬語いらないよ」




天原純は笑顔を絶やさず
女子たちに向けるような顔をしている…


こいつ、とても気さくに話すから、誰からも親しみやすいって思われそう



「あの…私……天原純くんのことが好きです!!付き合ってください!!」









それを聞いて
私までドキッとしてしまった










今がチャンスだ!


と思って逃げようとしたのも束の間






「ありがとう!でも僕、この小春先輩と付き合ってるから、ゴメンね」









……は?!






「そうだったんだ!ごめんなさい!!でも…もしよかったら友達になってもらえないかな?…私甘い物好きで、それで天原くんのこと気になってたんだけど…」



「そうなんだ!友達いいね!」




「やったあ、ありがとう!あ、そうだ!私、お菓子作りも趣味なんだけど…もしよかったら作ったの試食してほしいな」



「もちろんだよ!」




「ありがとう!じゃあ、また明日ね」


「じゃあね〜」






その場を去って行った三嶋 亜美


それに手を振る天原純


更にそれを睨む私



こいつ…どうゆうつもり?





「私、あんたの彼女になった覚えないんだけど…」




「小春先輩、フられてから僕に容赦なくなりましたね。素が出てるっていうか…」






俺の前では我慢しなくていいって言ったの、あんたじゃん!





「ああいうの断るには、こう言った方が1番かなって」





慣れたように言う天原純に
私は少し腹が立った





「そんなに人気なら、私じゃなくていいじゃない」





「…なに、ヤキモチ妬いてるの?」



「…なっ!」




天原純はまたニヤニヤしている






はめられた!




悔しい!!!









「…でも変な感じ…。ああいうタイプの子に告られるの初めてかも」




「てか、あんたでも告られるんだね」





「小春先輩、それも嫉妬ですか?」







…コイツっ!






「とにかく、私とあんたは付き合ってないんだからね!!」




「はい、はい」


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