俺様系後輩からは逃げられない?!


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「小春せんぱーい!お昼食べましょー!」




「…げ」







天原純は最近また、お昼を誘ってくるようになった






私と天原純は中庭のベンチへ向かった



中庭は意外と人が少ない





「小春先輩、俺の弁当は?」



「…ないけど」




「えー作ってくるって言ってたのに。俺、病気になっちゃうよ」



「病気になっちゃえばいいじゃん」



「じゃあ俺、毎日甘い物ばっかり食べ続ける」




そう言って、天原純は菓子パンを食べ始めた






「……っ、作ってくればいいんでしょ!作ってくれば!!」



「やった!ありがと!」




あどけない笑顔を見せる天原純









……キュンっ









ん?






なんか今

胸がキュッとしたような…







「小春先輩、最近ツンデレ化してるよね。俺ね〜ツンデレ好きだよ」




「はぁ?」




ていうか、そもそもコイツ


天原純に出逢ってから


ろくなことがない








「天原くーん」





三嶋亜美がこっちに向かって来た



「三嶋さん!どうしたの?」


天原純が他の女子に対する表情や口調に切り替えた



一方の三嶋亜美は初々しげに


「あのね、今日お弁当作ってきたの…よかったら貰って?」



「わぁ、ありがとう!」





女子受けのよい顔をする天原純



頬を赤らめて微笑む三嶋亜美








…モヤっ







ん?


今また何か…





「…あっ、ごめんなさい!彼女さんいるのにお弁当作ってくるなんて…」





私は咄嗟に


「いや、純くんは私の彼氏じゃないから。気にしないで」



「え…そうなんですか?!」




それに対し、私はニコッとした後
自分のお弁当を食べ進めた



天原純の方をチラッと見ると
天原純も私のことを見ていたが
顔は笑っているのに目だけは笑っていなかった




…な、何よ、その顔は


と訴えるように私も睨み返した




すると天原純は三嶋亜美に向かって申し訳なさそうに言った


「ごめん、前のは嘘なんだ」




「なんだ、そうなんだ」




三嶋亜美はホッとした顔をした



私はそれを見てまたモヤっとした






…この感じは一体何なの?







「じゃあ私、まだ頑張ってもいいかな?天原くんのこと」



「え?」







…え?






「私、まだ天原くんのこと好きなの…だから、覚悟してね!」




そう言った後、


三嶋亜美は一瞬私の方に目をやった






微笑んではいたが、その瞳はまるで

何か悪いことでも考えているかのようにも見えた




そしてすぐ、三嶋亜美は去って行った







私は天原純の顔を見た




だけど、天原純はまだ固まっていた






「…すっげえストレートだな…」




その顔はやや困り気味にも見えたが


満更でもなさそうですけど…










三嶋亜美……




告白してきた時の三嶋亜美はどこへ行ったのかというくらい
ガツガツ系になったようにも見えた













それにしても



さっき一瞬私を見た時の三嶋亜美


まるで敵意をぶつけられているようだった…







…何だか嫌な予感がする

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