蜃気楼の国
魔女は運命を嫌う。

魔女は生まれつき運に恵まれていた。

魔女の行くところに災いはなかった。

生まれながらの白魔女は運命を呪って黒魔女に転じた。

運命のせいで魔女は才に溢れていたが転じてそれを失った。

魔女は少しだけ幸せになれた。

しかしすぐに魔女は絶望を知る。

大きな運命は彼女が呪ったところで変化なんてしなかった。

魔女は全てを捨てようと逃げ出した。

その手にただダイヤモンドの杖を握って。

魔女は運命を消すことを目的に据えた。

どれほど不可能といわれても魔女は揺るがない。

そして魔女はダイヤモンドを惹きつけて、運命を呪う旅に出た。
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