記憶の欠片
??【実夢様‥‥‥実夢様‥‥‥起きてください。

      まったく‥‥‥この人は‥‥‥どれだけ寝れば――。】


  実夢【ん‥‥‥‥‥‥。

      誰‥‥‥‥?】


  私が目を開けると誰かの顔が目の前にあった。

  誰だろう。

  綺麗な顔立ちの人だなぁ‥‥。

  私がまじまじと見つめていると目の前の男性は大きな溜息を

  吐いた。


  ??【まさか‥‥本当に記憶をお失くしになっているのですか

      ・・・・?】


  実夢【‥‥‥‥‥‥記憶を失くしているかどうかは私にはよく

      分かりませんが多分記憶は無いです。】


  その人は私が敬語を使っている事に驚いたのか[本当に記憶

  喪失なのですね‥‥。]と呟いていた。

  

  ??【では自己紹介が必要ですね。

      私の名前はセバスチャン・ミカエリスです。

      実夢様の執事兼護衛をさせていただいています。】


  礼儀正しく頭を下げてそう言った。

  私は数秒間フリーズしていた。

  執事?護衛?どういう事?

  私は一体どんな生活をしていたのだろう。


  実夢【あ、えっと‥‥‥はい‥‥。】


  セバスチャン【実夢様、夕食の準備が出来ましたので居間へ

           お越しください。

           あ‥‥‥申し訳ございません。

           廊下でお待ちしています。】


  私は部屋を出てセバスチャンさんの後ろ歩いた。

  居間に着くとずらりと御膳が置かれていた。

  これがこの座敷に居る人達の数らしい。


  実夢【こんなに‥‥‥。】


  セバスチャン【実夢様の知り合いは全員この所帯に住んでお

           られます。】


  実夢【そうなんですか‥‥‥。】


  私は心底驚いていた。

  まさか、知り合いが全員一緒に住んでいるとは‥‥‥・。
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