記憶の欠片
それからぞろぞろと人が集まりだした。

  私はセバスチャンさんが示してくれた席に座っていた。

  なんだかんだで落ち着かない。


  実夢【‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。】


  私は入口をじっと見つめていた。

  入ってくるのは男の人ばかりで女の人は見つからない。

  

  実夢【‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。】


  セバスチャン【どうしたのですか?】


  実夢【‥‥‥‥‥あ、いえ‥‥‥その‥‥‥落ち着かなくて。

      お水もらえますか?】


  セバスチャン【かしこまりました。】


  私はセバスチャンさんから水を貰いそれを一気飲みした。

  何とか自分の気持ちを落ち着かせてあたりを見渡した。

  ちらほらと女性が見える。

  だけど、全員の名前や顔は何も覚えていない。

  そう考えて居た瞬間。

  頭にある情景が浮かんだ。


  女性1【実夢様、アナタは妖怪の姫になるのですよ。】


  女性2【実夢様、ですからお転婆な行動はおやめください。】


  実夢【うるさいっ!!!

      私は妖怪の姫などにはなりたくないっ!!】


  女【いいかげんになさい!!】


  そう言って女は私の事を平手打ちした。


  女性1【おやめください奥様!】


  女性2【実夢様、大丈夫ですか?!】


  奥様【お前は化け物だから妖怪の姫になるのです!

      お前の様な化け物等いらないの!!】


  義母様はワタシの事がキライ。

  ワタシも義母様の事がキライ。

  私は皆がキライ。
  

  実夢【っっ!!!!】


  シン【実夢、大丈夫か?】


  実夢【平気っ‥‥‥‥ですっ‥‥‥。】


  私は頭を抑えて倒れた。

  そこから私の意識は途絶えたのだった。
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