記憶の欠片
??【私はお前じゃない。

     私はお前じゃない。

     私はお前じゃない。】




  苦しい。

  誰かが私の上に乗っかっている。

  誰かが私の首を絞めている。

  息が出来ない。

  薄っすらと目を開けると私は目を見開いた。

  自分が自分を殺そうとしているのだ。




  実夢?【私はお前じゃない。

       私はお前じゃない。】

  
 




 実夢?【私はお前がキライだ。

      お前は弱くて脆い。

      だから妖怪の妃なんてされるんだ。

      だからあの人に捨てられるんだ。】




 あの人?

 あの人って誰?

 すると、ある情景が浮かんだ。
 


 とても美しい顔立ちの男性の姿だった。

 平安時代の様な格好をしていた。

  

 ??〖実夢‥‥‥‥私の愛しの人‥‥。

     愛しているよ‥‥‥ずっと一緒だ。〗


  実夢【っ‥‥‥!!】


  私は急いで部屋に飾られている鏡を見た。

  首には手型は何も無く私は安堵の息を漏らした。

  目覚める前に見た人は一体誰なのだろうか。


  ??【貴様!寝て居なくては駄目だろう!】


  ??【勇様、お待ちください。】


  勇【水無瀬は黙っておれ!

    記憶を失った挙句倒れるとは‥‥‥。】


  水無瀬【いきなり記憶を失った為に疲れていたのだと思います

       よ‥‥‥っそれより、勇様傷の手当がまだ済んでおり

       ません。】


  私は自分がぼーっとている事に気付きはっと息を飲んだ。

  勇と言う男性は水無瀬というセバスチャンさんと似たような服

  を纏った男性に連れていかれた。


  実夢【疲れた‥‥‥。】


  よくよく考えると何も食べて無いなと思ったと同時にお腹が鳴

  った。


  ??【お昼ご飯もって来て正解だったみたいだね。】


  扉が開き白いウサ耳だけが扉から見えた。

  私が首を傾げているとそのウサ耳をはやした男性が入って来

  た。


  実夢【う、うさ耳‥‥。】


  ??【ん?あぁ‥‥これの事かい?

      そっか‥‥僕の事も覚えていないのか‥‥僕の名前

      はペーター。】


  実夢【ペーター‥‥‥。】


  私はその名前を繰り返していた。

  私は彼の持っているお盆をじっと見つめた。

  コーンスープと目玉焼きハンバーグとご飯があった。


  ペーター【君のご飯だよ^ ^

        食べれる?】


  私は大きく頷いた。

  ペーターと言う人は食べ終るまで私の隣に着いていてくれた。
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