愛の裏返し
待ちに待った入学式。
箱に入れてあった南星高校の制服を取り出す。
まだ新品の匂い。
真っ白に水色のラインのシンプルなデザイン。
胸元には水色のリボンがついている。
この制服、なかなか気に入っている。
家から少し歩いたところにバス停があり、バスに揺られること15分。
駅につき、そこから20分間、電車に乗る。
電車を降り、5分歩いた所にやっと南星高校の門がある。
中学校が徒歩5分の所にあった私からしたらとても長旅に感じられた。
門から校舎までは長いまっすぐな道で、今は桜が満開だ。
桜並木を抜けるともう1つ門があった。
その中は南星高校の先輩方が部活動の部員を募集していた。
人がごった返し、思うように進めない。
どっちに進めばいいのか分からなくなり、人の波に身を任せた。
「バスケ部どうですかー?」
「あ、陸上部楽しそうだなぁ」
「わぁ、あの先輩かっこいい」
いろんな人の声が聞こえる。
なぜだか、何にも興味を持てなかった私はずっと下を向いていた。
やがて人混みから押し出され、やっと校舎にたどり着けた。
申し込みを済ませパンフレットや教科書をもらい、体育館に入った。
みんな親と一緒に楽しそうに話したり、写真を撮ったりしていて少しうらやましかった。
中には、我が子の成長に感動したのか、泣いている母親もいた。
私のために泣いてくれる親などもういない。
私は誰にも頼らず1人で生きていくと決めたのだ。
そう思い直し、首を振った。
体育館に人が集まり始めた。
するとアナウンスで案内が入り全員が席に座った。
そして入学式が始まった。
校長先生やその他の先生が挨拶する。
あぁ、この挨拶が長いんだよな。
思わずため息がでた。
すると
「きみも1人?」
急に隣から声がした。
友達はみんな他の高校に入学したから、私に声をかけてくる人なんているはずがない
そう思い無視した。
するとまた、
「ねぇ、キミも1人?」
と声がして、今度は腕をつつかれた。
声がした方に目をやると男の子がこっちを向いていた。
大きくぱっちりとした目に、すらっとした鼻筋。
とっても美形な男子で、髪の毛が金髪だった。
身長が高いのか、足を組んでいるから錯覚なのか分からないけど、とても足が長く見えた。
「ねぇ、キミ1人?」
また聞かれた。あんまり聞かれたくない質問だ。
「うん、そうよ。」
「俺もなんだよぉ。俺の母さん、仕事優先しやがってさ!」
その後にも何かを言われた気がするけど、興味がなかったから全く聞いていなかった。
それにその金髪野郎があまりにも大きな声で喋るもんだから私まで仲間だとか思われて先生に目をつけられたら面倒だから無視しておいた。
無視しているのにそれでも喋ってくるから、案の定、入学式中に近くにいた先生に体育館から退場させられていた。
退場させられてるとき金髪野郎のことを1度も見なかったせいか私は先生に何も言われなかった。
隣は静かになったけど、名前すら聞いていない初対面の相手があんなにも私に喋ってきたのは初めてでちょっとあの金髪野郎のことが気になってしまった。
箱に入れてあった南星高校の制服を取り出す。
まだ新品の匂い。
真っ白に水色のラインのシンプルなデザイン。
胸元には水色のリボンがついている。
この制服、なかなか気に入っている。
家から少し歩いたところにバス停があり、バスに揺られること15分。
駅につき、そこから20分間、電車に乗る。
電車を降り、5分歩いた所にやっと南星高校の門がある。
中学校が徒歩5分の所にあった私からしたらとても長旅に感じられた。
門から校舎までは長いまっすぐな道で、今は桜が満開だ。
桜並木を抜けるともう1つ門があった。
その中は南星高校の先輩方が部活動の部員を募集していた。
人がごった返し、思うように進めない。
どっちに進めばいいのか分からなくなり、人の波に身を任せた。
「バスケ部どうですかー?」
「あ、陸上部楽しそうだなぁ」
「わぁ、あの先輩かっこいい」
いろんな人の声が聞こえる。
なぜだか、何にも興味を持てなかった私はずっと下を向いていた。
やがて人混みから押し出され、やっと校舎にたどり着けた。
申し込みを済ませパンフレットや教科書をもらい、体育館に入った。
みんな親と一緒に楽しそうに話したり、写真を撮ったりしていて少しうらやましかった。
中には、我が子の成長に感動したのか、泣いている母親もいた。
私のために泣いてくれる親などもういない。
私は誰にも頼らず1人で生きていくと決めたのだ。
そう思い直し、首を振った。
体育館に人が集まり始めた。
するとアナウンスで案内が入り全員が席に座った。
そして入学式が始まった。
校長先生やその他の先生が挨拶する。
あぁ、この挨拶が長いんだよな。
思わずため息がでた。
すると
「きみも1人?」
急に隣から声がした。
友達はみんな他の高校に入学したから、私に声をかけてくる人なんているはずがない
そう思い無視した。
するとまた、
「ねぇ、キミも1人?」
と声がして、今度は腕をつつかれた。
声がした方に目をやると男の子がこっちを向いていた。
大きくぱっちりとした目に、すらっとした鼻筋。
とっても美形な男子で、髪の毛が金髪だった。
身長が高いのか、足を組んでいるから錯覚なのか分からないけど、とても足が長く見えた。
「ねぇ、キミ1人?」
また聞かれた。あんまり聞かれたくない質問だ。
「うん、そうよ。」
「俺もなんだよぉ。俺の母さん、仕事優先しやがってさ!」
その後にも何かを言われた気がするけど、興味がなかったから全く聞いていなかった。
それにその金髪野郎があまりにも大きな声で喋るもんだから私まで仲間だとか思われて先生に目をつけられたら面倒だから無視しておいた。
無視しているのにそれでも喋ってくるから、案の定、入学式中に近くにいた先生に体育館から退場させられていた。
退場させられてるとき金髪野郎のことを1度も見なかったせいか私は先生に何も言われなかった。
隣は静かになったけど、名前すら聞いていない初対面の相手があんなにも私に喋ってきたのは初めてでちょっとあの金髪野郎のことが気になってしまった。