愛の裏返し
入学式が終わったのは12時半。

ずっと座らされていたからお尻が痛い。

体育館から出て1階に降りた。

辺りを見渡しても、さっきの金髪野郎はどこにもいない。

まぁそのうち会えるかな
といろいろ考えていると、1時半からバイトがあることを思い出した。

帰るのに40分以上かかるのに、これは大変だ!と思い、私は急いで門に向かった。

けど、すぐに部活動の呼び込みの人混みに巻き込まれた。

さっきより混んでいて全く進めない。

あぁ、もうこれじゃあ間に合わないよぉと焦っていると、誰かに手を引っ張られ、人の少ない所に行けた。

お礼を言おうと思い、顔をあげると190㎝くらいあるかと思うくらい身長の高い男子が立っていた。

髪の毛は真っ黒のショートでワックスで少し毛が立ててある。
目が細く凛々しく見えるけど、よく見るとチャラそうだ。

「うっす。俺、2年の相川 廉。バスケ部なんだけど、どうかな?」

人が少ない所に引っ張ってくれたのかと思ったら、ただの呼び込みだった。

「いえ、私、部活とか興味ないんで。」

そう言って私はまた人混みの中に入った。

「あ、ねぇきみ、ちょっと待ってよ。」

後ろから相川 廉っていう人の声がしたけど
部活動の呼び込みにかまっている暇はない。

私は必死に人を押しのけながら学校を出てバイトへ向かった。
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