幼なじみの彼と彼女
「…やっぱり」

夜だから危ないので紀香を家の前まで送って行き、帰りは星が輝く寒空の下、一人フラフラと歩いた。



何となく、夏くらいからわかっていた。

8耐の時も。

決勝しか来なくていいよ、とは言ったけど。

何もなければ予選も来ただろう。

この前だって。

全くの上の空で。

違う誰かの事で頭を悩ませているのだな、と思った。

梓は…

結局の所、どちらが好きなんだろう?

そう考えて思わず首を竦めた。
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