幼なじみの彼と彼女
梓はその後を追う。



人気のない建物の裏手で祥太郎は座り込んでいた。

「祥ちゃん、大丈夫?」

その声でようやく顔を上げる祥太郎。

悔しさを顔に滲ませていた。

「…ごめん、こんな内容になってしまって」

梓は首を横に振って隣に座る。

「それよりも体は?」

祥太郎は少し笑みを浮かべて

「体は大丈夫だよ。
…ただ」

隣にいる梓の顔を真剣に見つめた。

「精神的に弱いな、俺」

苦笑いを浮かべて祥太郎はがっくりと肩を落とした。
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