幼なじみの彼と彼女
「…梓」

祥太郎はボーッと空を見上げて名前を呼んだ。

梓は祥太郎を見つめる。

「前から言おうと思ってたけど」

祥太郎は梓に視線を向ける。

「あいつの事、気になるんだろ?」

祥太郎は苦笑いを浮かべた。

「…多分。
俺は梓に楽しい思いをさせてあげられない。
あいつの方がきっと楽しいと思う」

「祥ちゃん…?」

梓は胸を締め付けられた。

手が震える。

「だから」

一呼吸置いた祥太郎の目が鋭くなった。

「別れよう。
彼氏、彼女ではなくて普通の幼なじみに戻ろう」
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