幼なじみの彼と彼女
7月31日。

「出来た…」

夜9時にようやく宿題を終わらせた二人は顔を見合わせてニヤリッ、と笑った。

「これで心置きなく遊べるー!!」

「プール!プール!!」



「ウルサイな!!もう!!!」

祥太郎の部屋に現れた拓海が鬼の形相で立っていた。

「終わった〜!!」

お構いなしに祥太郎はベッドに寝転ぶ。

「ウルサイ!!頼むから静かにしてくれる?」

拓海はそう言ってドアをバン!!っと閉めて立ち去った。



「拓ちゃん、機嫌悪いね」

「明日、真由ちゃんの家に初めて上がるみたいだから緊張してるんじゃない?」

祥太郎はニコニコしながら宿題を片付けていた。

「えっ、まだ行ってなかったの?」

「玄関前までは行ってたみたいだけど、まだ入ってないらしいよ。
10日くらい前から悩んでる」

梓はふーん、と言いながら自分の鞄に宿題を直した。
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