幼なじみの彼と彼女
「あ…」

プールサイドで休憩していたら。

梓をイジメていた男子グループも偶然来ていて。

「げ、お前も来てるのかよ」

嫌そうにそのうちの一人が言う。



それはこっちの台詞だ!!



言いたいけど言えない。





「なーにやってんだよ!!」

プールから上がってきた祥太郎がグループの後ろで仁王立ちで彼らを睨む。

「げっ!!」

「何が、げっ?
俺がいたらそんなにマズイのか?」

祥太郎の怒りのテンションが上がりはじめる。

ヤバイ!と思ったそのグループは二人の前から逃げ出した。



「お前、ウザイ、くらいはあいつらに言えよ」

祥太郎は隣に座って梓の肩をポン、と叩く。

「祥ちゃん、言いたくても言えない」

そう言って梓は祥太郎の腕に抱きついた。



これは。

昔から困った事があると梓が祥太郎にする合図で。

祥太郎は大きくため息をついた。
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