幼なじみの彼と彼女
「で、お前の恋は順調か?」

その日の夕食は真由お得意のハンバーグ。

美味しいので祥太郎は必死で食べているとその様子を微笑ましく見つめながら総一が尋ねた。

「んー、どうだろう…」

梓とはその後も順調に付き合っているけど、それほど代わり映えしない。

休みに時々一緒に出かけるくらいだし、後は宿題を一緒にしたり。

「ふーん、中学生の恋愛事情ってもっと騒がしいものかと思っていたけど、案外浮かれたりしないんだな、特にお前は」

騒がしいって何だよ…

祥太郎は少しムッとしながらご飯を食べる。

「ま、頑張れよ」

「はいはい…」

祥太郎は総一の言葉を適当にかわすととにかく今は食べる事に集中した。

恋よりも今は食べる方が大切な祥太郎はこの春、中学2年生なのだから。
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