幼なじみの彼と彼女
「梓ー!」

こうやって名前を叫ぶのも今日が最後。



今日は中学の卒業式。

一足先に祥太郎は受験を終えて桜ヶ丘高校に春から通う。

梓は2日後に試験だ。

まあ、確実に合格するだろう、とは周りの意見だが。



「さあ、行こうっか」

祥太郎が手を差し出す。

今まで、手を繋いで登校はした事がないのに。

「…最後だから!」

戸惑う梓に催促するように、手を差し出す。

梓も恐る恐る手を差し出す。



握った手は温かかった。
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