幼なじみの彼と彼女
10.危うい高校生活の始まり
卒業式は無事に終わり、梓も無事に光高校に合格した。



「わあ!」

一足先に行われる桜ヶ丘高校の入学式を前に梓は祥太郎の新しい制服姿に見惚れていた。

よく似合っている。

「カッコイイ!」

思わず祥太郎の背中を叩いた。

「イタイ…」

祥太郎はそう言いながら照れる。

「それよりも、明後日、頼むよ!」

祥太郎に肩を叩かれて梓はドキッ、とする。



…明後日から。

祥太郎が出場する全日本ロードレースの開幕戦がある。

一度、見に行く事にした。

実際に祥太郎が走る姿を見ておこうと思って。

そう言うと祥太郎は本当に嬉しそうに笑っていた。
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