実験→作用→その結果
「…………………………………。」
「…………………………………。」
押し付けられるようにして触れていた唇がゆっくり離れて、清良さんもゆっくり後ろへ下がる。
気恥かしいというか気まずいというか、何とも言えない微妙な沈黙。
清良さんは徐にノートにペンを走らせた。
「うむ。『壁ドン』はされる側ばかりではなくする側にも精神作用アリ、と。要経過観察。」
「中々に興味深い結果だ。」と満足そうに呟いて、颯爽と身を翻した。
……どうやら実験は終わったらしい。
って!!!
一人取り残された私は時間差でドカンと体温上昇、ヒートアップ後プシューっと湯気を放って廃人と化した。
ちなみに手に持っていた水温計はあまりの高温に砕け散ったとかいないとか―――