実験→作用→その結果
―――後日。
清良さんは相変わらず清良さん。
仕事ではその天才ぶりを遺憾なく発揮し、その傍らで常識外れの突飛な行動をとったりする。
「ひぎゃぁぁぁぁ。」
試験管に溶液を分抽中、いきなり後ろから清良さんに抱きつかれて悲鳴を上げた。
「なななな何してっ、何でっ…」
「うん。何となく?目の端に入ったら抱きつきたくなったから?」
「そんな理由が通るなら痴漢は野放しです!」
「それは確かに」と素直に手を離す清良さん。
「吊り橋効果は未だ健在か……。ン?そもそも被験者じゃないのに吊り橋効果は適用するものか?」
ブツブツ言いながら「調べてみよう」とPCに向かう清良さん。
何とも傍迷惑な彼の奇行を止めてくれるつわものがどこかにいないだろうか。
そう切に祈りながらも、私はそんな彼がやっぱり好きで。
【実験結果】
壁ドンで魔が差して恋心が芽生える事もある。
(てか、はよ気付け。)
・・・・・・・・・・・・end