ロンド~輪廻~
3ヶ月程前の席替えで隣になった少女との出会いが少年を変えた。

少女は少年同様クラスで目立つ子ではなかったが、友達もいて、成績も少年ほどではなかったが良かった。
そして、何より笑顔が可愛かった。

少女の隣の席になったことにより、少年の灰色の世界が変わり始めた気がした。

生まれて初めて少年は恋をした。

隣の席になるとすぐ少女から話しかけられた。

「はじめましてですよね?これからよろしくお願いします。」
少女は少しうつむき加減で挨拶した。

「よ、よろしく…」
少年も少し照れながら応えた。

いじめられている自分がなぜ話しかけてもらえたか、少年は疑問に思ったが、嬉しかったので深く考え無いことにした。

翌日も翌々日も少女は話しかけてくれた。
初めはたった一言だったが、そのうち普通に話せるようになった。
互いの連絡先も交換した。

趣味の話、将来の話、少年は今まで話せなかった分、たくさん話した。学校に行くのが楽しくなった。

そんな夢のような日々を送っていた少年だったが、不安もあった。

《いじめられている、ボクと仲良くしてたらあの子もいじめられてしまうかもしれない…》

少年は少女がいじめられる事を恐れた。
そして、少女が自分の目の前から消えてしまう事を恐れた。
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