【完】強引に、キス
ザワザワザワザワ
「櫂堂?!櫂堂ってあの櫂堂か?」
「悠雅って、五十嵐さんの事?」
「うそーっ!イケメンな上に超富豪ってやばいっ」
生徒達が悠雅の名前を聞いてざわつきが更に増した
美亜もこの事実にはさすがに驚いたらしく、目を見開いている
「悠雅、あなたの生きる世界は私と同じ世界よ。日陰に隠れた人生なんて歩むべきではないわ。…ねぇ。貴女もそう思うでしょ?美鈴さん」
先輩が憎い。今までどんな事があっても平気だったけど、今回のことは憎くて仕方ない。
「な、なによ」
先輩の目の前に行きじっと睨むと気迫負けしたのか一歩下がった
「最低」
先輩の目の前で手を振り上げていた私の腕を
パシッ
悠雅が掴んで阻止する
「ゆ…離しっ」
「だから何だよ。お前等しょせんそんな程度なんだろ?それで音亜より上だ?ふざけんな。お前等は音亜には適わねえよ」
まわりにいる生徒を見下した顔でそう告げると、悠雅は私と美亜をつれて教室へ
「何だお前等、はやく教室いけ!ほらっ」
教師数人が、集まった生徒達を散らす
「…見てなさい。必ず悠雅を手に入れてみせるわ」
これから起こる事が予測できなかった