【完】強引に、キス


「その音亜さんとは、誰の事だ」

親父の声がして振り向くと、ドレスアップした秋吉が憎たらしい笑みを浮かべて親父と立っていた


「悠雅、すぐに支度しなさい。食事の準備は整っている」


「はっ!?俺は約束があるんだよ!」


そう言うと、親父は俺に近づいてきて耳打ちをした。


コソッ

「どこのお嬢さんかは知らないが、幸せを願うなら食事に参加しなさい。お前はこの櫂堂家の息子…だろ?」


俺はこの言葉の意味を知っている。悔しくて、この言葉に逆らうことが出来ず、ただ従うしかなかった


俺に背中を向けて部屋を出る親父に、ただ「はい」と返事をする

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