【完】強引に、キス

     »幸司 side



今日はバレンタイン

音亜は友達がくるからって朝から慌ただしい


「きゃーっ」

バタバタバタッ


ほらまた、いつも鈍くさいくせに慌てるから今日は一段と鈍くさい


「ほら、大丈夫か?」

「幸司、ありがとう」


俺は音亜の手を握ると、いっきに引き上げた。


音亜は俺より少し後にこの施設にきた。来たばかりの時は記憶がなく、ただ毎日泣いてばっかだった。

だから、年下だったけど俺が守んなきゃって心に決めた。

四才でそんな事思ったなんて自分でも驚きだけど


「幸司くん、幸司くん彼女とか作んないの?」

俺より4つ下のミサが尋ねてきた

「つくらねーよ?」


「なんで?」


「好きな奴がいるから」


「ふーん」


ミサは納得したのかどうかわからない表情で去っていく


「なんだあれ」

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