【完】強引に、キス

それからしばらくしても、五十嵐は何度も何度も施設に来た。


俺は音亜にばれねえように、何度も何度も断り続ける


「またかよ、ガキ」

「お前も毎回毎回あきねーのな」


施設の塀にもたれかかった俺に、五十嵐は呆れたように俺のことをガキ扱い


「音亜にはあわせねえから」

あの日から一ヶ月。こいつは毎日音亜に会おうと施設にくる。


この様子を見ていると、送り迎えは俺がしてるし、きっと学校で口を聞いてもらえねえんだろう、


「音亜泣いてねえか?」

「あぁ」


「そっか。また明日来るよ」

こいつはいつも、ただそれだけを聞いて去っていく。

本当に逢いたいなら俺を殴ってでも音亜に逢えばいいのに


アイツはきっと俺なんかより強い。

だから簡単に俺を黙らす事なんて出来るんだ

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