【完】強引に、キス
ガチャ
扉を開けて、部屋にはいるとまさに社長室といった感じ
「さ、いきなりだが話をしようか」
男性はデスクの前に置かれたソファーにドカッと座る
「娘の事は知っているね?」
「はい…」
「では、直球にお話しするよ。娘にはいずれ会社を背負ってもらおうと考えている。その為には最適なパートナーが必要だ」
「……はい」
悠雅といるといつかはこうなるんだろうな、とは覚悟をしていたが、まさか他の人に言われるとは思ってもいなかった
「……娘には既に我々が決めた相手がいるんだよ。櫂堂くんだ」
……え?
「櫂堂くんも、いずれ櫂堂グループを背負う身だ。娘と一緒になればますます会社も発展し、いい方向に進むだろう。だから君は大人しく手を引いてもらえんかね」
え、ちょっと待って?
悠雅には婚約者がいるってこと?
「あの!悠雅は何も言ってなかったんですが」
「いや、知っているはずだよ?4カ月前にその話は向こうに通しているし、つい2カ月前には一緒に食事もしたのだからね」