【完】強引に、キス



4カ月前…


今思えば、たしか悠雅がすっごく荒れていた時期があったし、


2カ月前…


バレンタインに悠雅の家から出てくるこの人を見て、その後に秋吉先輩と一緒にいる悠雅をみた…



「……私は、悠雅の口から何も聞かされていません」


「それがなんだ。君は自分がどういう立場の人間なのかを自覚しているかい?」


弱々しく、下を向きながら話す私に、秋吉さんは堂々と強く話す


「櫂堂君の為でもあるんだよ。君が手を引くということは」


「それとこれと何の関係が」


「私には権力がある。金がある。君の住む施設など…どうにでも出来るんだよ?君の関わる人間を苦しめる事なんて、簡単なんだ」


秋吉さんはそう言うと、私の手をとって微笑んで「正しい判断をしてくれ」と言った。


でも、その微笑みの下は真っ暗な闇が詰まっていた

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