【完】強引に、キス
「………れ」
ピクッ
「あ?なんだ」
怒りに満ちた櫂堂の声、俺は小さくつぶやき、その言葉に櫂堂の手がギリギリで止まる
「音亜を守れ!必ずお前のもんにして、絶対なかすな!!音亜の事は絶対だ!んで、幸せにしてやれッ!!!」
まっすぐ櫂堂の目をみて強く言う俺に、櫂堂は胸を掴む手の力を緩めて、俺を抱きしめた
「……………おう。まかせろ」
櫂堂の腕は変に優しくて、頭に置かれた手が暖かかった
「…………………ッ…………クッ…」
頬をつたるあたたかいものが、櫂堂の肩へと落ち、自分が泣いていることに気づく
「泣くなよ……音亜に怒られんだろ」
俺から離れると、櫂堂は頭をポンと叩いて歩き出す
「音亜を生涯をかけて愛す。約束だ」
そう言って去っていくアイツの背中を見て1人
「クソ……抱きしめてんじゃねえよ……………きもちわりぃ……」
と、気持ちとは裏腹な言葉を出した。