【完】強引に、キス


カチャ、カチャ


食事をする仕草で、静かな食器音が鳴る


道重さんと重利さんは楽しそうに会話をし、繚辺さんや嶺さん達もたまにまざって笑いあう


「そう言えば、なぜここに?」


悠雅が重利さんに向かって質問をする


「言ったやろう、また顔だすって」


いや、またって……早すぎる


「そんな事より、音亜、正式にうちの籍にしないか?」


「え、?」


「あぁ、いいね。この先、音亜さんに何もないとは言い切れない。また今回のような嫌がらせをうけない為に、御蔭の名を持てば、少しはなくなるだろう」


重利さんの提案に、道重さんも進めてくる


「でも……私、施設が」


「かまわん。施設に住んだままで、名前も変えなくていい。だから、籍をいれてはくれんか?でないと、私が心配なんだよ…」


悲しく笑う重利さんの言葉に、私は嬉しくなる


「ありがとう…ございます」

「良かったな、音亜」

「うん…ッ、悠雅、ありがとう」


嬉しくて涙が目にたまった

< 233 / 247 >

この作品をシェア

pagetop