【完】強引に、キス
カチャ、カチャ
食事をする仕草で、静かな食器音が鳴る
道重さんと重利さんは楽しそうに会話をし、繚辺さんや嶺さん達もたまにまざって笑いあう
「そう言えば、なぜここに?」
悠雅が重利さんに向かって質問をする
「言ったやろう、また顔だすって」
いや、またって……早すぎる
「そんな事より、音亜、正式にうちの籍にしないか?」
「え、?」
「あぁ、いいね。この先、音亜さんに何もないとは言い切れない。また今回のような嫌がらせをうけない為に、御蔭の名を持てば、少しはなくなるだろう」
重利さんの提案に、道重さんも進めてくる
「でも……私、施設が」
「かまわん。施設に住んだままで、名前も変えなくていい。だから、籍をいれてはくれんか?でないと、私が心配なんだよ…」
悲しく笑う重利さんの言葉に、私は嬉しくなる
「ありがとう…ございます」
「良かったな、音亜」
「うん…ッ、悠雅、ありがとう」
嬉しくて涙が目にたまった