【完】強引に、キス


「遅かったな」


扉を開くと、目の前には五十嵐がいた。


「あ…家庭訪問の事で長谷やんに呼び出されてた」


「そか、こっちこいよ」


五十嵐は私の手を引いていつもの死角になる場所へ連れて行くと、腰を下ろした。


「座れよ」


「あ、うん」

五十嵐は私が腰を下ろすと、すぐにいつものように私の肩に頭をのせた。


あ、今日は腰に腕が回ってる…

「……音亜」

今日の五十嵐、なんだかいつもと違う


「ん?なに?」

腰にまわる手に少し力がはいった。

「お前さっき、盗み聞きしてただろ」

「え…」

うそ、ばれてた………

「はぁーっ。お前どうせ肝心なとこ聞いてないんだろうから言っとくけど、断ったから!」

断ったんだ……




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