【完】強引に、キス
学校の正門は鍵がしまってるから、裏門をよじ登って中に入った。
ここは遅刻しそうな学生がよく使うルート。
職員室に誰もいないことを確認して、屋上に急ぐ。
屋上に出る扉に手を伸ばし…………あれ、開かない。
そうだ。ここも鍵閉まること忘れてた
私は仕方なく扉の前にしゃがみ込んで五十嵐を待つことにした。
待つこと15分くらい、誰かの走る足音が近づいてきた。
バタバタバタバタ
足音と、苦しそうな荒い息
顔を上げると、五十嵐が汗だくになって私の近くに寄ってくる
「あ、あの、いがらっ」
ギュウゥ
「ハッ………ッ…ハッ、ふざけ…んなッ…こんなハッ、走ったの小学生…以来」
息を切らしながら話す五十嵐の背中をさする
いつもの五十嵐の匂いに、今日は休日だからか普段より香水の香りが鮮明に香る。
「わり、俺、…ハッ、汗…だくだ…」
私から体を離そうとする五十嵐をきつく離れないように抱きしめる