【完】強引に、キス
私達は計5カ所の店を回り、車いっぱいの荷物で外はもう暗かった。
「送るわ。レディーファーストだから悠雅は最後な」
「ん」
「香坂、先送る」
長谷やんがそう言うと美亜が寂しそうにうつむく
「俺はお前の帰宅が遅くなったら困るの。親御さんに心配かけたら俺、挨拶いけねえだろ?」
美亜は長谷やんの言葉に嬉涙しながら「うん」と答えて家までの間、長谷やんの左手を離さなかった
「美亜、また明日ね」
「うん音亜、五十嵐くん…寝てる(笑)…先生、バイバイ」
美亜の家から車を出して、私はふと気になることを聞いてみた。
「ねえ長谷やん。いつから私達の事知ってたの?」
「んー、お前が悠雅のキス拒んだ所。あ、正確には付き合う前から、だな」
あの時の、知ってるんだ…
「悠雅はさ、知ってると思うけど悪い奴じゃない。ほんとの愛情ってのをちょっと知らないだけなんだよ」
私にもたれて寝てる悠雅の髪を撫でる
「お前で良かったと思ってるよ。お、ついた。悠雅は送っとくから、また明日頼むよリーダー」
私は悠雅の頭に軽くキスをしてバイバイと言い、車を降りた。