【完】強引に、キス

コソ

「…今日も1人だね。あの子。」


美亜が言うあの子とは、私の席の左となりにいる五十嵐(いがらし)くんのこと。

五十嵐くんは学校1の成績、全国模試も毎回トップ3の1人で、特進の中でもずば抜けている。

でも無口であまり笑わない謎の人物なおかげで朝学校にきて夕方、下校するまでずっと1人で過ごしている、いわば一匹狼。


顔も頭も良いから、ファンクラブまであるみたいなんだけど、五十嵐くんが笑顔で誰かと話しているのを見た事はない。


ファンクラブの会員も、今まで何人か告白したことあるみたいだけど、冷たく振られて終わるらしく、たいていは陰で隠れて追っかけている。


「その内、うちとけるでしょ」


私は軽く流して授業に集中した。


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