【完】強引に、キス
放課後
私は長谷やんに職員室に呼び出されていた。
コンコン
「失礼します、2-B美鈴です」
「おー、はいれ」
ガラガラ
私の声に長谷やんが答えて、私は職員室に足を入れた
「あのな、進路相談の事で今年から家庭訪問しようってなったんだが、お前んちどうすればいい?こういう話はあまりしたくないんだが…」
長谷やんは唯一学校で私の家庭の事情をしる人物。気を使ってか、いつもより落ち着いた声で話してくれる
「あ、今日帰ったら聞いてみるね。てか長谷やんらしくないからやめてよ(笑)もっと気楽にでいーのにっ!」
「お、おう。わかった、んじゃ頼むわ」
私が明るく答えると戸惑いを見せつつも長谷やんはいつもの様に明るく振る舞った。
「失礼しました」
私は職員室をでると、教室ではなく屋上に足がむかっていた。
階段を上って少し重たい扉を開けると、夕日に染まった空と少し遅れた蝉の鳴き声、部活に励む生徒達の声が聞こえる。