“それ”は義務です
とまあ、これでも1時間分にも満たないが、
そしてほんの数分前に言われたことはもっと訳が分からなかった。
「壁ドンは義務なんです!!」
は?なに言ってんだおまえ
「壁ドンされたら惚れるのもまた義務なんです」
吊り橋効果か…
「壁ドンする方はイケメンじゃなきゃいけないんです」
世界の男を敵に回したな
「てことで壁ドンしてください」
いやまったくその“てことで”が理解できないんだけど
「義務なんです」
「義務です」
……や、益々わかんない
「早くーーー!!」
別な人あたって
「イケメンじゃなきゃいけないんです!!」
俺違うから
「私がイケメンだって言ってるんです」
他の…
「壁ドンされた人は惚れるのが義務なんです」
あーもう、うるせー
どん、
これで文句ない?
「やばばばば…」
おまえちいせぇな
「やばばばば」
日本語…
「やばば、、好きです」
やばばって誰だよ
「玻玖、好きです」
…………
「……玻玖顔真っ赤です」
卑怯…
「えぇー!?ツンデレでしたか」
ゆりか…おまえ、
「きゃはっそんな玻玖も好きですよ」
もう黙ってろ
「ぶーぶー…」
キスをされたら黙るのも義務…だろ?
「 だ……まりません、もん!!」
義務を守らないのはなんだっけ?
「あ、、」
俺がにやりと笑みを浮かべたのは言うまでもない。
──────────Fin.