ピンクの百合の花言葉。



昼休み、とりあえず行かないわけにもいかないので屋上に向かう。





しかし、彼は周りが見えないタイプだな。
って、私に言われたくないか。









キイッ




今朝の男の子はもう来ている。

しかし、彼は背を向けて、あー!とか、うぅー!とか独り言を言っていて、私が入ってきたことに気づいていない。









よほど緊張してるんだな。

しばらくこのまま観察していたい。



…ダメダメ。そんなことしてたら昼休み終わっちゃいそう。









『…あのー?』









「わぁ!あ、あ、あ、あの、ほ、本日はこんなところまでわざわざご足労いただき、ありがとうございます!」





ぷっ!ご足労って!(笑)





「僕、2年の篠原 望です!僕、ずっと梨々子さんのこと好きでした!ギャルのときからずっと!でも、今の梨々子さんの方がもっと好きです!」



彼は今朝にも増してキラキラした目で
恥ずかしそうに告白してくれた。

でも、その想いには応えられないのです。







『篠原くん、気持ちはすごく嬉しっ!!』













ギュッ







!!!!

















えええええええええええー!!!




在ろう事か、私はキラキラくんに抱きしめられている。










びっくりしすぎて頭がついていかない。











彼は私を、強く強く抱きしめる。



ふわっと香る彼の匂いが余計に私を混乱させる。












『ちょ、ちょ、篠原くん!?』




私はしどろもどろに言葉を発した。
すると、










パッ





「わぁ!す、すみません!!////」






タッタッタッタッタッタッ



ガチャン












な、なんだったんだ今のは!


可愛い顔して、大胆だな。


じゃなくて!ちゃんとお断りできなかったよ!










はぁ〜。どうしよう〜!

2年何組なのかもわかんないし。


困ったな〜。。






私は屋上でしばらく頭を抱えていた。



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