ピンクの百合の花言葉。
ピンクの百合の花言葉。
はぁっ。私は午後からの授業が全く頭に入ってこなかった。
とにかく、ちゃんと言いにいかなきゃ。
私は授業が終わって真っ先に職員室に向かい、篠原 望くんのクラスを教えてもらった。
まだ、帰ってませんよーにっ!!
チラッ
クラスを覗くとまだチラホラと人は残っている。
どこだろうー。もう、いないのかな。
すると、窓ぎわの1番前の席に帰る準備をする姿が見えた。
今、まさに教室を出ようとしている。
『し、篠原くん!』
私は出てきたところを呼び止めた。
「梨々子さん!昼休みは大変失礼なことを!!」
カバッ
篠原くんは勢いよく頭を下げる。
『いや、あのそれは大丈夫だから!とりあえず皆見てるし、頭上げて!あと、ちょっと話があるから移動しよう!』
私は篠原くんを連れて人気のない場所へ移動した。
「本当にすみませんでした!なんか、勝手に体が動いてしまったというか…。梨々子さんに声をかけられるまで自分が何してるのかもわかってなくて…。」
『ううん!確かにビックリしたけど、それはもういいの。気にしないで!
でね。私、ちゃんと言わなきゃいけないことがあって。あのね、私お付き合いしてる人がいるんです。だから篠原くんの気持ちは嬉しいけど、その気持ちに応えることはできません。』
ペコッ
「そうですか!わざわざ言いにきて下さってありがとうございます!最初から駄目元だったんで!」
そう言ってニッコリ笑った。
「あ、ちなみに彼氏さんはこの学校の人なんですか?」
え?
言っても…いいよね。
『うん。同じ学年で野崎悠真くんっていうの。』
ボソッ
「……チッ。あいつかよ。」
ん?今、すごくブラックな声が聴こえたような。
「わかりました!ありがとうございます!でも、僕の梨々子さんへの憧れは変わらないんで!では!失礼します!」
彼は今日1番のキラキラスマイルで去っていった。
いやいや、あんな天使の笑顔なんだ。
さっきのは気のせい気のせい。
しかし、よかったー。
これにて一件落着!!
さ、帰ろう帰ろう〜。
教室にクラスメートはもういなくなっていた。