かすみ草の恋
ある時は、体育館倉庫に用があって行ったら、裏の方から女の声がして、何気なく見に行ったら


橘が女の先輩集団に囲まれていた。


「てか、あんたに用はねぇんだよ!
山田凛花を呼べと私は言ったはずだけど!!!」


どうやら、山田凛花への嫉妬から集団リンチをしようと思って呼び出したら橘が1人で現れたらしい。


そこでも


「リンカは来ません。
リンカはこの事を知りません。
すみません。やるなら気が済むまで私をやって下さい。
可愛いのは罪ではありません。
リンカはとても良い子です。」



と言ったんだ。


橘の言葉に逆上した先輩女集団は
橘をボコボコにしたんだ。


でも顔を平手打ちにされた時は


「顔はやめてください。
他の人にバレます。 私は先輩達の気が済むまでやられますから、他の場所にしてください」



と顔を歪めながらも目には強い意志が感じられた。


助けたいけど、出ていけなかった。


それほどまでに強い意志を持った目で耐えていたから。


でも、みぞおちに何発か入れられた時に
橘が気絶したんだ。


そこで女達は我に返ったのか
怖くなったのか?
橘を残していなくなった。


意識の無い橘を
俺は黙って抱きかかえて
保健室へ連れて行った。



細くて軽い橘。
誰よりも心がキレイで美しいと思った。



しばらくは歩くのもキツイくらい痛めつけられたはずなのに
次の日には笑顔で山田と廊下を歩いていた。



好きでたまらない。



橘を俺のモノにしたい。


美人だし
心の中は誰よりもキレイだし
笑顔に関しては山田以上の威力があるように思えた。
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