かすみ草の恋
俺は橘の顔が見たくて、また隣のクラスの山田の所に行った


「山田〜! 辞書貸して!!」


山田は橘の前の席に座って
2人は楽しそうに話していた。



それを遠巻きの男たちがチラチラ見ていた。


視線の先は山田なんだろうが
どうしても野郎どもの視線の先に橘が入ってしまう。



それにも腹が立ってしまう。



「ん? ああ いいよ?
私の机に入ってるから持ってってぇ〜」



と山田が答えた。



おいおいおい、山田の席と橘の席は正反対じゃねぇか。


橘に近寄れねぇじゃんか〜


不満気に山田の席まで行って机の中から辞書を取り出すと


物欲しそうな目で見る野郎ども。


別にこんな辞書くれてやっても良いけどな〜と思いながら橘の方に視線をやると

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