かすみ草の恋
「んっ。 じゃあ、俺戻る。
授業終わったら教室に迎えに行くから
待ってろよミカ。
そっちの今井くんは、姉貴と来たらどうですか?姉貴に辞書借りにくるくらいだから2人は仲良いみたいですね。
今井くんと姉貴
お似合いだと思いますよ?
俺らは2人でアップルパイに合う紅茶でも買ってから帰るんで、買い物終わったら姉貴に連絡入れるので好きに過ごしてて下さい。
……じゃあな、ミカ」
と言って、俺には嫌なモノでも見るような顔して言った後
橘の事はこれまでにない優しい顔で見た
そしてフッと笑った後
橘の頭を撫でると英和辞典片手に颯爽と廊下を歩いて行った山田弟。
クソッ!!
なんなんだアイツ!!
俺が橘に気がある事を感付いててわざと
あんな言い方しやがって。
胸くそわりぃヤツだなっ!
それを見た橘は困った顔してため息を
吐いて
「ふぅ〜。 橘くんごめんね。
レイジどうしちゃったんだろう…?
本当は凄く優しいんだよ?
なんかレイジあったのかなぁ〜
嫌わないであげて欲しいな…?」
と困った顔して言った。
橘…
お前はちょっと鈍感すぎる。
どんなに山田の容姿が超絶に良くても
お前もとびっきりカワイイ女の子だぞ。
俺には山田よりも100倍可愛く見えるんだぞ。
俺の気持ちに気付いてよ。
「今井…。レイジはね、あんたなんかとは年期が違うのよ。
そう簡単にはいかないわよ?
今回はレイジの言う通りにしな。
私たちは作戦会議。
って、言っても私はミカの味方よ。」
と言って、他の奴らなら一瞬で持っていかれるような綺麗な顔で
ニコッと笑った。
橘はなんの話だか全く理解出来ていないようでボケーッとしていた。
そんな橘に自分を見て貰いたくて
橘から貰ったイチゴ飴を橘の口の中に
入れ二カッと笑って
「カワイイ…」と言ったら
ビックリした橘はたちまち顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
「放課後楽しみにしてる」
と言って、さっき山田弟が触れた頭をポンポンと撫でた。
他の男が触れたもんは俺で全部上書きしてやるんだ。
そして俺は自分の教室へ戻った。